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◎第一章 ホームページ開設に際して・・・少し自己紹介がてら・・・なぜ俺は植木屋になったのか・・・。
平成15年3月 ようやくホームページを立ち上げることが出来た。今や植木屋とはいえ、時代はインターネットの世の中になりツメの間に土の入り込んだ汚ねー指でキーボードを打つ時代になった。なんだか最近字は読めるけど書くのが苦手になった気がする。今時の小学生は漢字ドリルとかで書く練習をしてるのかな?自分なんかは漢字ノートに「希望」とか100回くらい書いたおぼえあるけど、今そんな必要があるのかな・・?必要だろーもちろん。パソコンだって覚えなきゃいけないし。プレステ2も強くなきゃいけないし。携帯でメールも速攻で打てなきゃいけないし、うーんやることいっぱいあるなー。我が家のいまだにオムツのとれないもうじき4才の長男坊はどうなるんだろう?楽しみだ。とりあえずうんちはいいかげんトイレでしてくれよ。同じもの食ってんからくさいんだよ。頼むよ、ゆーくん。
なんの話してたっけ?そうだホームページか。素人で立ち上げるのは、やはり根気のいる作業だった。まあ今時期我が社はヒマだからどうにか自分で出来たけど。やっぱり植木いじって体動かしてる方が全然おもしろい。庭仕事はやっぱり楽しい。そもそも何故自分が植木屋になったのか?まさか高校時代、モテたくてしょうがなかったあの頃には決して考えられない職業だ。しかもまたまた遊びたくて尚もモテたくて、一浪してまで入学した大学を、中退してまで始めた植木屋に一体どんな魅力があったのか?とりあえずちょっとでもいい大学に行って、そこそこ大手の会社に入ってそこそこの嫁さんもらってマイホームを建てて・・・なんてただ漠然と高校時代は考えてたけど、変わったね大学に入って、一気に変わった。同じクラスに三○商事の専務のセガレだとか、不動産屋の長男坊だとか、田舎の豪農の息子だとかいろんな奴がいた。親父に買ってもらった新車のアウディ学校に乗ってきたり、親父のメルセデス事故っておシャカにしちゃったとか、なんだか同じ100円の価値が全然違うような気がした。俺は普通のサラリーマン家庭の三男坊で、やたらそういった奴らにコンプレックスというかひがみというか、なんか言い知れぬ対抗心みたいなもんが芽生えていた。別に自分が貧乏とか不幸とかでもなく何不自由なく生活をさせてもらっていたのに。まあ今思うと要するに中途半端だったんだろうなー、自分自身。それをなんか今まで見たこともないような金持ちの息子達を目の前にして、思い知らされたんだと思う。世の中広いんだって、気が付いた。あるとき俺は、三○商事の専務のセガレに聞いたことがあった。「お前にとって大学ってなんだ?勉強するわけでもないし卒業することにどんな意味がある?」そいつはこう言った。「世間体だよ。」確かにそうだ。その中にうまく順応して楽しいキャンパスライフを満喫して、ノホホーンと4年間経てば、大卒という肩書きが手に入る。なんだこいつわかってやがる、結構頭いいのかな?現役のくせに1つ上の俺にあっさり言いやがった。よっしゃわかった、そんじゃこの際学歴とは関係ないトコで生きてやるよってこの頃思った。別に学生生活がつまらなかった訳じゃない。サークルも創ったり、合コンも嫌っちゅうほどやったし。金はないけど時間だけは無限に有った。でもそんなただ目的もなく就職までの4年という時間は、俺には長過ぎると思った。じゃー大学の4年間とは何をするための時間なのだろうか?と俺は真剣に考えた。ちょうどその頃、夜中のラブホテルの受付のバイトをやめて、ちょっと手が空いている時に友達から、知り合いの植木屋のアルバイトに誘われた。朝8時頃に集合して夕方17時頃まで現場で仕事して日当10,000円。悪くねーな、よしやろう、そんなノリだった。いざ植木屋バイト初日、朝っぱらからやたら暑かったのを覚えている。そこの植木屋のトシチャンてみんなから呼ばれている40過ぎのおっさんに俺と友達は現場へ連れて行かれた。着いた先は、南武線の津田山駅と久地駅の間の沿線道路の街路樹の草むしり。オオムラツツジの株元からエロ本やら空き缶やら傘やらいろんな物が出てきた。一番笑ったのはやっぱりお金だった。10円玉から500円玉まで結構出てきて昼飯代くらいになった。でもさすがに暑さにはマイッタ。こんなこと、トシチャンは毎日やってんだー、すごいなーと思った。真夏の炎天下、アスファルトの熱気を受けながらしゃがんだまんまで夕方17時まで草むしり。もー明日は来ねーぞと思いながら、帰り際トシチャンに笑顔で「明日も頼むからよー。」って言われて、「うんわかった。」って言っちゃった。それが今から12年前の大学2年の夏、俺の植木屋人生の始まりだった。(第2章へ続く・・。)
TOPへもどる 第2章目覚め 第3章庭修行本格スタート 第4章いざ鎌倉・・・。
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第5章 少し見えてきた。